
連休中なので店は混んでいた。
ちなみにボクたちが行くのは8時前だ。
この時間、当日の魚はまだ来ていない。
市場人以外は、少し後の方がいいのだよ。
おっかさんのカレーはちょっと辛口だ。
期待でわくわく。
でもボクのお腹を見て、小森和子が出て来た。
あとで涙がぽろぽろぽろりんこ。
黙っていても大盛りが出てくる、お腹になりたい。
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特に甲殻類十脚目短尾亜目ケセンガニ科オオズワイガニは、食べている量も少ないのでがんばるしかない。
ただ往々にしてうまいので、苦ではない。
今回の北海道産(たぶん北海道日高周辺)雌は気になって致し方ないので、買ってみた。
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中にヒゲソリダイがあった。1キロ上でしっかりと締めている。以上は以前にも書いた。
腹の部分の塩焼きを作っていて、『かもめ食堂』(2006年)という映画のことを思い出す。
待つのが仕事のような仕事だったので、この映画を見てしまったのだ。
面白い映画だなと思ったけど、それ以上に気になる点があった。
仕事で見ている女子にお願いして、その箇所をもう一度見た。
「やはり間違いない」。
たぶん養殖されたタイセイヨウサケ(サーモン)だと思われる切身に振り塩をして、すぐに焼き始めている。
絶対に間違いとは言えないが、尺からしてこうなったのやも知れぬが、料理監修の面からしてどうかな。
以上はかれこれ20年も前のことなので、不確かかも。
海水面養殖なので、タイセイヨウサケの体内塩分濃度は高いはず。
振り塩をしても馴染むのに時間がかかる。
塩がきかないまま焼いたら、表面だけ塩からいだけでしかない。
塩と魚の本体とが味の点からしてばらばらじゃないかな?
淡水魚は体内の塩分濃度が低いのですぐに塩が馴染む、のとは違う。
なんて考えながらヒゲソリダイの腹の身に振り塩をして、待つ間、保存画像にテキストを加えて保存するなどして、ちょうど1時間で焼き始める。
一般家庭なのでガス台のグリルで焼き上げる。
愛知県一色産のヒゲソリダイは今まさに脂が乗っていて、旬なのである。
皮目のうまさは、過去には、イサキ科だったことがあるので、イサキのように独特の好ましい風味があり、皮だけでも御馳走である。
ほどよく繊維質の身の甘さよ、強いうま味よ、と思わずつぶやいてしまう。
これにて頂き物の、菊正宗樽酒を正一合。
項明水産、鈴木項太さんに感謝致します。
項明水産
https://komeisuisan.com/
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中に比較的小振りのホウライヒメジが入っていた。
小さいのに触っただけで上々であることがわかる。
非常に硬いのである。
5月から夏にかけてはホウライヒメジの時季だ。
早速、刺身にして皮霜造りにして楽しんだ。
いかにも5月だな! という刺身の色だ。
小型なので曇りガラスとまではいかないが、身色が薄濁りになっている。
濁りの原因が脂なのだ。
ホウライヒメジの味の特徴は甘味が強いことだが、事ほど左様に甘い。
しかもうまい!
こんなにウマスギだと困っちゃうという味である。
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当然、中には倉橋島名物の鯛(マダイ)が入っていた。
全長50cm・2㎏上は目の下一尺半である。
桜は散り、5月、6月の産卵盛期を迎えようとしている時季だ。
これを骨を残して総て料理し尽くす。
4月29日に炊き込みご飯を作った。
4月後半から狂乱の魚祭、貝祭だったので、炊き込みご飯のようにあっと言う間のご飯がよかったのもある。
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中にヒゲソリダイがあった。
1キロ上でしっかりと締めている。
まずは刺身で食べてみる。
わさびもしょうがもなし、醤油すらつけずの刺身一切れで思ったのは、ヒゲダイの仲間(ヒゲダイ属でセトダイ、ヒゲダイなど)が旬を迎えつつあることだ。
一切れなのにぎょうさんうまい、と言うしかない。
いきなり脂を感じるとまではいかないが、ねっとりとして、ほどよい脂が舌にへばりつく。
ほんの少しだけ磯臭みがあるが、これが本種の持ち味である。
この磯臭みは脂がのっていくると完全に消えるが、それはそれでもの足りなく感じる。
だいたい醤油とわさび、しょうがで完全に消えるといったもので、味に膨らみをつける素でもある。
ご飯の友としたが、身の甘味がご飯と合う。
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予想していたことだけど、最初の一切れを食べて、予想以上だった。
正確に言えることは、東京湾だけではなく、日本全国、マアジの季節到来である。
鮮度が非常にいいのに切りつけた身が柔らかいのは、当たり前だけど脂が身に混在しているからだ。
ちなみにマアジでも脂べっとりといったものがあるが、個人的には身にほどよく混在するのが好きだ。
今回はしょうが醤油で素直に食べたが、困ったおいしさだった。
これにて、頂きものの、菊正宗樽酒を正一合。
こなから、は遠し。
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料理の距離は1ミクロンでも短く、だ。
意外にそのような、どうでもいい感じの料理の方がうまい。
遙か昔の昔、親戚のおばちゃんが作った、竹の子のたいたんが、いまだに心に残っているが、作っているところなんざー、見ていられませんといったいい加減なものなのである。
だけど、竹の子1本食い切るくらいにうまい。
これが家庭料理の神髄なのだ。
さて、酢のもん(酢のもの)の話だ。
ボクの故郷は徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)だが、親戚の多くは、吉野川の対岸にある美馬町(現美馬市美馬町)に住んでいた。
だから再三再四、美馬町に、赤い美馬橋を渡って行ったいたものである。
さて、そんな美馬町も我が貞光町でも、日常的にも冠婚葬祭のときにも作っていたのが、じゃこ(ちりめんじゃこ/カタクチイワシの稚魚をゆでて干したもの)と鳴門ワカメと、きゅうりの酢のもんである。
作り置きすると10日間くらい食べ続けられる。
食卓にあるとありがたいもので、要するに保存食だ。
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